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2.ガーナ人気質


 人なつこい気質とは「民間大使ガーナへ行く」の著者、浅井和子、元駐ガーナ日本大使の言葉です。私の感じたガーナ人はちょっと違います。

 まず商店で何か買っても「有り難う」の言葉がありません。でも、これは物不足の国ゆえ、売る側が強い立場だからゆえ。けっして買ってくれて嬉しくないわけはないと思います。
 次に、人の良いガーナ人も、一旦、車のハンドルを握ると人格が変わるようです。狭い路地に無理矢理突進していくものだから、またあちこちに斜めに駐車してどこかに行ってしまう人が多いものだから、一旦、詰まってしまうと、どうにもこうにも行かなくなってしまいます。「礼節」の度合いからすると、まだ「衣食が足りる」という状態ではないようですねぇ。

 「喧嘩」 暑いこと、また道路が渋滞していることなどからイライラするのでしょう。2度ほど喧嘩をみかけました。1度は道路上で、バンの運転手がオートバイの若い運転手を平手でひっぱたいていました。もう1度は漁港でお兄さんが少年と殴り合いをし、少年は鼻血を出しながらも突進していました。それを見ていたおばさん達が止めに入ったのですが、なにせ若い男性二人の喧嘩ゆえ、なかなか引き離せません。そこで頭(かしら)らしき人の登場。かっこいいおじさんが怒鳴りながら割って入り事を収めました。その後しばらくおばさん達が、ああでもない、こうでもないとやりあっている様子でした。しかたないですよね、皆一生懸命生きているのだもの、喧嘩くらいするよね。


 「男性・女性」 道ばたの木陰や停車中のトラックの下で昼寝をしている人を良く見かけましたが、だいたいが男性。女性はというと、本当に良く働きます。子沢山なので、またそれでなくとも失業率の高い国なので、彼女たちは働かざるを得ないのでしょう。ご存じの方も多いでしょうが、発展途上国では、女性達が荷物を頭の上に乗せて運んでいるのをみかけます。男性に比べ腕力の劣る女性には、この方法が適しているようです。

 女性で感心するのはもう1つ。昔の日本の言葉で「鳩胸」「出っ尻」というのがありまさすが、まさにこの言葉のように、赤ん坊を布で巻いてちょこんと出っ張ったお尻に乗せ、巻いた布の端を、今度は自分の立派な胸に巻く、こうすると動いても赤ん坊がずれ落ちないのです。子供も母親と密着しているからか安心して大人しくしていますし、母親もこれなら一体化しているので活動もしやすいですね。
 まあ、考えてみれば、日本のお母さんだって、一人をおぶって、自転車の前と後ろにそれぞれ一人ずつ、計3人の子供と買い物をカゴに入れて一気に運んでいるのをみかけますから。いずこも“母は強し”と感心させられます。

 ある日、友人と漁港へ行き、魚を買おうとしていたら、交渉相手のおばさん(お姉さん?)から、いきなり「私、あなたと結婚したいよ」と言われて思わず苦笑。また小さな女の子が私に笑顔を向け、手を振ってくれました。勿論、こちらも笑顔で手を振りました。まことに勝手な解釈ですが、私としては、人の良い国民と思っています。(友人いわく、君は、小さな子から大人の女の人にまで持てるなぁ〜、だそうです)
 最後に。ガーナ周辺諸国では見かけるのだそうですが、この国では物乞いの子供を見かけません。友人いわく、そうした教育(しつけ)をしているのだそうです。それでお伝えしたいのですが、ガーナの人を撮影する時は、それなりの配慮してあげてください。貧しくともプライドの高い人たちですので。




 かつて永井道雄氏(元文部大臣)がある講演でこんな話しをしてくれました。ここに貧しいけど頭のよい青年がいたとします。方や、金持ちだけどあまり勉強もしない。あなたはどちらを評価しますか?1つの物差しだけで測るのではなく、複数の物差しを持って判断してあげてください、と。そう、彼らが貧しいというだけで見下ろすような視点で見ないでくださいね。考えてみれば日本だって、70〜80年前までは東北で飢饉があると、娘を遊女に売らなくてはいけなかった時代があったのだから、とは藤牧新平先生(国際政治学者)が良く話してくれていたことです。そうです、今の日本、経済的に豊かだと言って奢ってはいけないのだと思いますね。



格差社会
  ガーナは、友人いわく、ボトム(BOP=ボトム・オブ・ピラミッドといった言い方がされている)がなんと70%、ミドルが20%、トップが10%だと思う、とのこと。これが、ガーナでのビジネスのアプローチに大きな日本との違いを産んでいます。(別途説明)

  日本は「一億総中流(ミドルクラスが80%?)」といわれますが、考えてみれば、むしろ日本が例外的なのであって、世界レベルで見れば、むしろ彼らのような世界こそがマジョリティーなのかもしれませんね。


 

トップクラスの家
こうした家々の敷地全体をぐるりと塀が囲っています

 ミドルクラスの家
3ベットルーム、キッチン、バス・トイレ、居間

 (写真左)ちょっと分かりにくいので解説しますと赤いテントは中古PCショップの入り口。

 向こう側に小屋が見えますが、この小さな家に家族4人(子供2人)が暮らしていました。なんでも、このビルを建てる際に、建設途中の建材を盗む人がいるもので、番人代わりにここに住むことをオーナーが認めたのだとか。






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